理事長所信表明 – 一般社団法人盛岡青年会議所 | 盛岡JC
 

理事長所信表明

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中野美知子H29

第66代 理事長
中野 美知子

JCIロゴ_ヨコ

明日に、一粒の種を蒔こう

~生きる力が漲る社会へ~

 

 

友達とどこまで高く漕げるか競い合った、桜舞う石垣のブランコ

叩きたいと恋い焦がれてやっとの思いで参加した、憧れのさんさ

綺麗な衣装に身を包み八幡宮までの道のりを、母の手を握り歩いた稚児行列

息が切れるまで走り回った、小岩井の雪まつり

 

小さな世界だったけれど、私の大好きなもりおか

 

10年後、20年後のもりおかは今と変わらずに在り続けているのだろうか。雄大な岩手山は私たちを温かく見守り、清らかな中津川は静かに流れる。日々変化するこの世界で、自然と文化が調和したこのまちが今もなお在り続けているのは、誰かがこう在りたいと想像していたからだろう。未来は想像できることで満ち溢れている。そしてその想像が行動に移され創られてきた。

私たちは自分の意志で、このまちの未来を創造し続けなければならない。

 

 

近年における技術の発展は、様々な分野において私たちの生活に多大な利益をもたらしました。一方で20年以内には、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、人工知能やロボットで代替される可能性が高いという推計[1]が出ています。技術革新は私たちの豊かな生活を支える反面、ひとが活躍できる機会は徐々に失われつつあり、社会的影響が懸念されています。

さらに日本は今、経済のグローバル化による諸問題、教育制度に対する再生論議、都市一極集中による地方衰退問題、自然災害における防災対策など、様々な課題を抱えています。情報化社会の現代において、個人の主張が小さな画面の中から世界に発信できる時代だからこそ、社会課題の解決策として何が正しいのか、多角的な視点を持って見極め判断していかなければなりません。

 

私たちの住むもりおかは、集約された都市機能や地域に根差した仕事があり、盛岡広域圏の人口はほぼ横ばいで推移しています。しかし盛岡市2017年7月人口統計では、65歳以上の老齢人口が全体の25%を上回り、これから人口構造はさらに変化し、経済にも影響を及ぼすことが予想されています。

私たちは未来のもりおかに、ひとの活力に溢れたまちを繋いでいくためにも、国籍、年齢、性別、障害で機会を制限せず、個々人の属性を特性として受容し、柔軟な社会づくりを目指していく必要があります。

ある一定の属性が職務を担うことで役割を果たしてきた時代もあります。しかしそれは、差別や区別で制限され、既成概念の中でひとの特性を充分に活かしきれていませんでした。近年は、外国人労働者の増加や、女性活躍推進法が2016年に施行されるなど、心身共にバリアフリー社会の流れが進むことによって、個々人が多様な特性を発揮し社会を構成していける時代になりました。しかし各々の属性における能力を引き立たせ、活かしていける社会づくりはまだ始まったばかりで、違いを認め、理解したうえで受容していく姿勢が求められています。

 

私の想い描く「明るい豊かな社会」とは、生きる力が漲る社会です。

私は10代の頃、男子生徒が多い高校に通っていました。体育の授業は、男女関係なく同じプログラムを行うことが基本で、それまで男女別の教育を受けてきた私にとって、決して楽なものではありませんでした。この環境に負けたくないという思いだけが、私を必死にさせました。当初はどう扱って良いか困惑していた男子生徒も、女性としての特性を受容し変化していきます。私たちはチームワークで互いの弱みを補い、役割を明確にして、強豪クラスから体育祭優勝を勝ち取ることができたのです。

個々人の特性を受容しようとする周囲の雰囲気は、自分自身の覚悟と行動があって初めて生まれます。自分のできる範囲を自らが決めて諦めることや、この社会では難しいと他責にしてしまえば、そこからは何も始まりません。自分の特性を認識し、弱みではなく強みに変えていくことで、周囲から認められ、個人を活かしていける社会となっていきます。

自分自身に誇りを持ち、在りたい自分に向けて、変化と成長を求めることが個々人の生きる力となります。その力は、周囲に影響を与えながら拡大し、尊重と理解を通じた認め合いの中で、生きる力が漲る社会を生み出していきます。

私たちは、もりおかに住み暮らす全てのひとと、未来に向け生きる力が漲る社会を創造していかなければなりません。

 

青年会議所(以下、JC)は、戦後「新日本の再建は我々青年の仕事である」という志を胸に、「性別・身分・思想にとらわれない真にニュートラルな青年団体を創り上げる」という若き青年たちの行動のもと、1949年東京JCが創立され、次々と各地に拡がっていきました。

各々の組織が地域に根差した運動を展開している団体は、JCだけではありません。しかしJCだけが持つ特性があります。私たちは、生い立ちも職業も異なるひとで構成され、同じ志を持つ同世代の仲間が日本に約3万5千人、世界に約16万人います。グローバルな視野で世界中の仲間と切磋琢磨し、より良い社会を多くの仲間と目指していける、多様性を持った団体です。

盛岡JCは、1953年全国で38番目のJCとして、「個人の修練」「社会への奉仕」「世界との友交」を目的として創立されました。私たちの組織は、20歳から40歳で構成され、性別では、日本国内にあるJCの中でも女性の割合が高く、多様な人材を受容できる可能性に満ちた組織です。

ひとの成長を通じて仲間と共にもりおかをより良くしていく運動を続けてきた盛岡JCが、さらに力強く運動を発信していくためにも、私たちは、変化を恐れず自らを成長させ、生きる力が漲る社会を築いていかなければなりません。現状に満足せず自らを律し、自らの魂を奮い立たせ時代を切り拓き、仲間と共に次の世代へより良いまちを繋いでいきましょう。

 

私たちは、自然摂理の中で生きています。日々暮らしていく中で、喜びや悲しみなど様々な感情という心を耕します。希望の種を蒔き、花を咲かせ、次に繋がる種をつくります。太陽の力を受け、雨に成長の機会をもらい、空気に生きる意味を感じます。

一粒の種は、変化と成長の機会です。誰かに差し出すための種も、自分で受け止める種も、それぞれが希望の種です。私たちが蒔く種は、個々人の想い描く花を咲かせます。一人ひとりが一日一粒でも希望の種を蒔くことができれば、未来に沢山の花を咲かせることができるでしょう。そして出来た新しい種は、芽吹く春を未来へ繋いでいきます。

私たちは、このまちに住み暮らすひとと共に明日へ一粒の種を蒔き歩んでいきます。

[1]  (株)野村総合研究所 2015年12月ニュースリリース

多様性を活かし組織の力を高める

私たちは青年経済人として、日々変化する社会課題に向き合っていかなければなりません。しかしたった一人でできることは限られています。仲間がいるからこそ、個々人の特性を活かして互いが切磋琢磨し、より良い運動が展開できるのです。

組織の力はひとの力です。会員を増やすことは、様々な特性を持ったひととの関わり合いが増え、各々の多様性を理解し受容できる機会を拡げます。また、縁あって巡り逢った同世代と、経験を通じた自己成長を積み重ね、地域に必要とされる人材となることは、ひととまちの繋がりを深めます。さらに、会員の多様性を活かし、個々人が参加しやすい環境を整え、理解と尊重を通じて調和が取れた組織を目指していく必要があります。40歳で卒業を迎える私たちは、限られた時間を多くの仲間と意義のあるものにしていかなければなりません。

より多くのひとと出逢い、自己成長の機会を通じて多様性が活きる組織の力を強固にしていきます。

地域に住むひとと共に描くまち

何気なく過ごしている日々の生活圏は、決して広くはありません。日常において幸せを感じることができれば、ひとは心を豊かにしていきます。まちにある課題を知り、潜在的な力を見出し、より心豊かに暮らせるまちを創造していくことが重要です。

「このまちの主人公は誰なのか」を考え、地域のひとと対話をし、課題を掘り起こすことから、解決に向けて行動していかなければなりません。地域が一体となって望ましいまちづくりを進めていく地域協働という観点を持ち、地域と行政との連携を強化し、未来に向け論理的に解決していく必要があります。また、私たちは青年経済人として、CSV(Creating Shared Value~共通価値の創造)の観点を持ち、社会課題に向き合うと同時に、経済的価値を創造し、永続的な課題解決に取り組んでいかなければなりません。

市民、行政、JC各々の特性を活かし、このまちに生きる当事者として共に魅力的なもりおかの未来を想像し、ひととまちの共創力を引き出していきます。

郷土愛を育みもりおかに誇りを持つ

もりおかには、私たちがまだ気づいていない歴史や文化の魅力が数多く溢れています。新しい出逢いの中でこのまちを知らないひとにも、もりおかの良さを理解してもらうためには、自らがこのまちを知り郷土愛を育んでいくことが必要です。

このまちに住み暮らすひととの関わりから、歴史的偉人や伝統・文化を知ることは、「このまちは、私たちの誇り」という強い意志を持つことができます。もりおかをもっと好きになり、誰かに伝えていく行動は、より多くのひとへ魅力を発信することに繋がります。また、盛岡さんさ踊りは、誰もが参加でき、誰もが主役になれる祭りだからこそ、参加者や経験者が年々増え、もりおかを代表する祭りに発展してきました。今後、盛岡さんさ踊りがさらに発展していくためにも、私たちは関わり方を考え、より魅力的な祭りに変化をしていかなければなりません。

もりおかを誇りに思い愛するひとの繋がりを拡げ、ひととの関わりの中からもりおかを発信する力を見出していきます。

ひととの関わりから子供たちと青少年の可能性を拡げる

これからの時代を担う若い世代の可能性は無限です。今は気づいていないことも、普段とは違う環境から、価値観を生み意識変化として拡がります。私たちは、世代を超えた繋がりから子供たちと青少年の持つ潜在的な力を引き出していかなければなりません。

スポーツを通じてひとと向き合い、力を最大限に出し合うことは、相手を慮る心を養います。日々練習と努力を積み重ねた子供たちと、様々な都合で競技に参加出来ない子供たちが同じ時間を共有することは、互いの特性を理解することに繋がり各々の価値観を拡げます。また、青少年と私たちが共に事業構築を行い、設営などの関わりから青少年の自己責任と想像力を育み、主体的に考え行動する力を引き出していきます。さらに、選挙権の年齢引き下げがあり、政治を通じた社会構造の認識を深め、興味・関心を養うことで10代から社会人としての当事者意識を育みます。

多様なひととの関わり合いを通じて心を養い、実践を通じた経験から子供たちと青少年の未来を描く力を引き出していきます。

姉妹締結50周年の価値を地域へ

1968年8月31日。遠く海を渡り、台湾の羅東國際青年商會との姉妹JC締結が行われました。それから50年。私たちは、今後の永続的な交流を見据え、双方の尊い絆を互いの地域に発信し、地域間交流として繋いでいく必要があります。

友情を通じた相互理解と信頼を主体とした永続交流の象徴として、記念碑を建立し民間外交の価値を地域に発信します。また、これからの未来を担っていく子供たちが、互いの国とまちを伝え合う機会は、文化や産業、言語も含めた考え方や価値観の共通点と相違点を知ることができ、国際社会における日本及び自らのまちを客観的に理解し、自分たちのまちの魅力や課題を抽出することに繋がります。グローバル化が進む世界において、国境を越えた交流から多様な感性を育むことで、国際社会でも活躍できる人材を育成します。

姉妹締結50周年という交流の機会を通じて更なる友情を育み、互いの地域をひとで繋ぎ、多様な価値観を受け入れることができるもりおかを創造していきます。

盛岡JCの運動をより多くのひとへ

盛岡JCの活動は、多くのひとの目に留まり触れてもらうことで、市民意識変革運動として拡がります。相手の気持ちを考え広報を通じて対象者の心動かさなければ、ひとの行動は促せません。同時に、社会におけるJCの存在意義を向上させることが重要です。

私たちは、JAYCEEであることに誇りを持つことから始めなければなりません。一人ひとりの誇りは発信力に繋がります。また、広報ツールが多様化している中で、地域にインパクトを残していく必要があります。対象者が誰なのか見極め、デザイン感を重視し、斬新な発想で多くのひとに魅力的に感じてもらうことが大切です。さらにJCは、意思決定機関を単年度制で運用します。全ての会員が総会・理事会の意義を理解し、より良いJC運動を発信できる組織運営を目指していきます。

組織に対する誇りを持ち、多くのひとがJC運動の価値を理解し、関わりを通じて共により良いもりおかを創造できるよう、発信力を強化していきます。

~日本JC出向者を支援する~

私たちは、盛岡JCの一員であると共に世界に繋がる日本JCとの関係性を持っています。そこには、広い視野でみた世界との関わりや国及び地域の現状や課題、解決策が多様に存在し、私たちの地域に持ち帰ることができる沢山の機会があります。出向者を支援し、出向者が得た経験を共にJC運動に活かしていきましょう。さらに、盛岡JCを頼り、この地に訪問してくれる全てのひとへ感謝と思いやりを持って接していきます。

組織進化特別委員会

私たちは、単年度制で行われる事業の他に、継続性を持った事業の取り組み方や、将来を見据えた事業構築などを検討し、より良い組織に向けて前向きに議論を重ねていく必要があります。また、昨年度から始まった収益事業と組織ビジョンを検証し、今後の可能性も見出していきます。

「幸せの三要素は、自分自身が好きかどうか

良い人間関係を持っているかどうか

 そして、ひとや社会に貢献しているかどうか」

アルフレッド・アドラー

 

  自分自身を愛し、出逢いを大切に、仲間と共により良い地域を繋いでいこう。

  そこには必ず、まだ見ぬ花が咲き誇っているから。