理事長所信2026

 

2026年度理事長 伊藤 英佑
Ito Eisuke

Take the Leap!
~一歩を踏み出し、未来をつくろう~

 

 理想を語る。それはまだ見ぬ未来に希望の灯をともすことだ。現状に甘んじていては何ひとつ変わらない。重く淀んだ空気を突き破るのは、こう生きたいという心からの叫びを声にし、その心の声を信じて踏み出す覚悟の一歩だ。私は信じている。言葉は人の心を震わせ行動を呼び起こす。その行動は希望となり未来を切り拓いていく。だからこそ私は全力で理想を語り突き進む。自分のために、仲間のために、このまちの未来を動かすために。

 私は最初から理想を語り一歩を踏み出せていたわけではない。敬愛する父と兄は困難を恐れず挑戦し、自らの信念を持って道を切り拓いてきた。そんな姿に憧れながらも、私はどこかで自分にはできないと思っていた。強く見せようとするほど臆病になり、周囲の期待や常識に従うことを優先し、いつしか自分の人生にもかかわらず自分で舵を取っていないことが当たり前になっていた。気づかないうちに自分の価値を信じられなくなり、ありのままの自分を受け入れることができなくなっていた。弱さを見せることが、何よりも怖かった。迷いを打ち明けることもできず、人と向き合うときにはいつも本音を隠し、偽りの自分を演じていた。そんな私を変えてくれたのが盛岡青年会議所との出会いだった。本気で語り合い活動する仲間たちの中で飾らなくても受け入れてもらえる場所があると知った。ありのままの自分でいても誰かとつながれることに喜びを覚えた。少しずつ自分を受け入れられるようになった私は家族や会社の仲間、そしてこのまち・もりおかの未来を、自分の手で少しでも良くしていきたいと心から願えるようになった。私が語りたい理想は、自らの人生において何を大切にしてどんな未来を目指すのかを自分で描き、自分の足で進む生き方である。その姿勢こそが人を強くし、まちを前へ進める原動力となるのではないだろうか。

 世界で起きている出来事を、あなたはどのように捉えているだろうか。テクノロジーの発展は社会にこれまでにない利便性をもたらし、生活はかつてないほどに豊かで効率的になった。一方で情報操作やフェイクニュースによる混乱、新たな軍事技術の開発による紛争激化、格差の拡大といった課題が生じている。さらに、産業活動やエネルギー消費の増加は地球温暖化を加速させ、異常気象による様々な自然災害のリスクも高めている。テクノロジーは本来中立的な道具であり、その価値を決めるのは私たちの判断と行動である。だからこそ情報の真偽を見極め、格差や気候変動をはじめとする社会課題の解決に向けた使い方を意識し行動していかなければならない。そうすることで、これからの世代が安心して暮らせるまちの発展につながる。また、世界で起きているあらゆる問題は、私たちの住み暮らす地域にも無関係ではない。そのつながりを意識し自らの暮らしと結びつけて考える視点こそが、社会課題の解決へ向けた行動のきっかけとなる。先行きが見えにくい時代だからこそ一人ひとりの行動が連なって生まれる変化は、未来を切り拓き各地域から世界へと希望を広げる力になる。

 私が目指す「明るい豊かな社会」とは、誰もがありのままの自分で一歩を踏み出せる社会である。ありのままの自分とは強さも弱さも受け入れることから始まる。自らを受け入れるからこそ、他者を心から尊重できありのままに受け入れる力となる。こうした意識の人が増えることで世代や性別、障がいの有無や歩んできた道にかかわらず多様な背景や価値観が尊重され、助け合いながら挑戦できる環境が整っていく。私たちにできることは、自分が大切にしたい価値や叶えたい未来を具体的に描き、それを周囲と共有し、互いの挑戦を支え合うことだ。一人ひとりの積み重ねが応援し合える環境を地域に根付かせ、その広がりが新たな挑戦を呼ぶ連鎖となって、まちを希望で満たしていく。私は明るい豊かな社会を実現するために、まず自らが一歩を踏み出し、その歩みを仲間と共に次世代へとつなげていくことを目指す。

 私がもりおかをより良くしたいと願うのは、このまちに大切な人たちが住み暮らしているからだ。家族や仲間そして地域で出会った人たちの笑顔や日常は、私にとってかけがえのない宝物である。もりおかにはひとの温かさが息づき、互いを思いやる心が自おのずとつながり合う風土がある。これらは市民の生活基盤を支え、また雄大な自然や歴史ある文化、そして地域毎の催しを守り、継承しながら発展させている。言うなればもりおかの強みである。私たちがもりおかの強みを活かし、人とのつながりを更に強くしていくことで、まちの産業や経済、社会や文化が活性化していく。しかし現状は地域課題の規模や性質が多岐にわたっており、一組織や一部の人だけで解決することは困難である。だからこそ、行政や企業、教育機関、民間団体、地域住民など立場や役割の異なる人々が垣根を越えて協63 力し合い、力を束ねることが不可欠である。その力が集まったとき新たな価値が生まれ、まちは明るい豊かな社会の実現に向けてより大きな一歩を踏み出すことができるのだ。

 今、この組織にいる理由を自分の言葉で言えるだろうか。盛岡青年会議所の仲間一人ひとりに問いたい。求められているのは待つことではない。何もしなければ活力もつながりも誇りも静かに失われていく。だからこそもりおかの未来を切り拓くために私たちが最前線に立とう。まずは自分が変わり行動しながら、地域の課題や眠っている強みを自分ごととして掘り起こし、仲間や地域と本気で向き合い行動を伴う対話を重ねながら挑戦する。そして、たとえ失敗してもそれを次の一歩の糧とする。その挑戦の連続が仲間や市民の心を動かし、意識と行動を変える。その変化は挑戦の連鎖となり、やがてまち全体に広がっていく。未来を他人に委ねず自らの意思で一歩を踏み出す人が増えれば、このまちは必ず前へ進む。2026年度盛岡青年会議所は未来を切り拓く人を育てる組織であり続ける。私たち一人ひとりの挑戦は灯となりまちを照らす。その灯を絶やさず共に大きくしていこう。今、この瞬間の決断と行動がもりおかの未来を変える。さあ、その第一歩を私たちの足で踏み出そう。

 

【多様な人と知恵をつなぎ、新たな価値を共創し地域の未来を切り拓く】

 私たちが住み暮らすもりおかには、長い歴史の中で受け継がれてきた伝統や文化、人々の温かさが息づき、市民が誇りを感じられる豊かな地域資源が存在している。一方で、人口減少や縮小する地域経済、生活様式の多様化など地域を取り巻く環境は大きく変化し続けており、従来の枠組みだけでは十分に対応できない局面も増えている。だからこそ、これからも地域が活力を保ち続けるためには、地域資源の付加価値や人々のつながりを継続的に生み出す仕組みを整えることが不可欠である。異なる経験や知識を持つ多様な人や団体が垣根を越えて集いそれぞれの強みや知恵を出し合い、新たな取り組みを生み出すためには協働の場が欠かせない。協働する中で課題を共有し、新しい発想や挑戦的な取り組みを形にすることで共創へと発展していく。こうして生まれた学びや気づきを一人ひとりが自らの行動へと結びつけることで、小さな変化が積み重なり、地域全体で持続的に価値を生み出す。多様な人と知恵をつなぎ、新たな価値を共創し地域の未来を切り拓く。

【次代を担う子供や若者の挑戦が、地域の未来を照らし新たな可能性を育む】

 子供や若者は、雄大な自然や地域に根差す文化とのふれあい、スポーツや地域行事など、五感を活かした直接的な体験を通じて学びを深め自らの可能性を広げている。また、学校生活や地域活動の中で仲間と共に目標に向かって挑戦し、成功や失敗に関わらず、挑戦の過程で得た学びによって育まれる協調性や自主性は、将来の地域社会において主体的に関わる力となる。その成長で子供や若者は、地域の未来を支える人財となり、まち全体に希望をもたらす原動力ともなる。一方で、周囲との関わりの中で他者と比較し、自信を持てずに挑戦をためらう子供や若者もいる。だからこそ、ありのままの自分を受け入れ、互いに信頼し応援し合う関係を築くことが一歩を踏み出す勇気を育む土台となる。地域や社会がよりよく創発していく環境を整えるために、私たちは、子供や若者が学びから得た気づきを自分の行動に結びつけられるように導かなければならない。挑戦と学びの連鎖が個人の成長を促し、その成長がまちに前向きな変化を生み出していく。次代を担う子供や若者の挑戦が、地域の未来を照らし新たな可能性を育む。

【世界と地域を結び、価値観の違いを越えて共に一歩を踏み出し、国際的な共創を実現する】

 国際社会の発展には、地域で住み暮らす人々が国際的な課題を自分ごととして捉え、主体的に行動することが不可欠である。環境や社会、経済の課題は複雑化しており、一つの専門分野や立場だけでは解決が難しい。だからこそ、文化や世代が異なる人々や異なる専門性を持つ人々が垣根を越え、知識と経験を分かち合いながら課題解決に取り組む協働が重要である。こうした協働を重ねる過程で、互いの信頼と相互理解が生まれ、新たな価値や仕組みを生み出す共創へと発展する。地域が誇る工芸や食文化、観光資源に国際的な視点を取り入れ、国内外に広げる取り組みは共創の具体的な成果となる。また、経済的効果に加えて異文化交流や地域への誇りを育む文化的価値ももたらす。異なる背景を持つ人々が協働し、やがて共創へと進むこの仕組みこそが、持続可能で誇れるまちを未来へつなぐ原動力となり、ひいては国際社会の発展に寄与することとなる。だからこそ、私たちは世界と地域を結び、価値観の違いを越えて共に一歩を踏み出し、国際的な共創を実現する。

【組織に誇りをもたらし、市民に共感を生み、参加の輪を広げもりおかの未来を創る】

 組織として最大の力を発揮するためには、所属する一人ひとりが理念を正しく理解し共感したうえで、自信を持って行動していくことが必要である。その行動は他者との協働を呼び起こし組織の信頼や認知度を高め、結果として組織ブランドの向上につながる。盛岡青年会議所は、これまで地域の未来を考え行動する人を育ててきた組織である。だからこそ私たちは、青年会議所の理念を理解し、自らの言葉として語れるように組織全体の環境を整える。そして、理念を行動指針として体現していく。また、先輩たちが築いてきた歴史や地域での活動を通じて得た学びを生かし、理念への理解を深め、地域課題に向き合う活動に誇りを持って取り組み、その価値を自ら発信していく風土を育む。活動の価値を理解し誇りを持ったメンバーの存在は新たな仲間や協力者を呼び込み、挑戦の連鎖を後押しする。さらに、市民が組織と活動の意義や価値に共感できる発信は、新たな仲間や地域の協力者を迎え入れ、挑戦が連鎖していく流れを地域に生み出す。組織に誇りをもたらし、市民に共感を生み、参加の輪を広げもりおかの未来を創る。

〈未来構想特別委員会〉
 盛岡青年会議所は、明るい豊かな社会の実現に向けて、人づくりを通じてまちづくりを推進し、市民や関係団体との信頼を築いてきた。その歩みは、先輩諸兄姉の情熱と挑戦の証であり、私たちの誇りである。2027年度に迎える創立75周年に向け、2026年度はこれまでの歴史を次世代へつなぐため、盛岡青年会議所が果たすべき役割とあるべき姿を明確に示し、その実現へ向けた方向性を共有する重要な一年とする。また、2027年度の岩手ブロック大会を見据え、全会員が当事者意識を持ち、主体的に参画できる組織文化を育てるため、全員が積極的に関わる体制づくりを進めていく。私たちは、積み重ねてきた伝統と誇りを礎に、変化する社会に応える新たな挑戦を紡ぎ出し、創立75周年と岩手ブロック大会の開催に向けて機運を高め、未来を切り拓くための確かな基盤を築いていく。

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