一般社団法人盛岡青年会議所

理事長所信2024

一般社団法人盛岡青年会議所 2024年度理事長候補者 山内 圭介
2024年度理事長候補者 山内 圭介
Yamauchi Keisuke

活力の循環を生み挑戦の輪を広げよう
〜ひとが共に寄り添い前向きに生きるために〜

 もりおかで生まれ育った私は幼少期にサッカーの魅力に触れ、青年会議所の機会提供によってプロのサッカー選手になりたいという夢を描き、挑戦することができた一人の少年でした。高校時代には地元を離れ単身でサッカーの強豪校へ進学し、自らを厳しい環境に置くことで、夢の実現に向けて挑戦し続けました。挑戦する過程で、仲間と共に目標をもつことでどんな困難でも乗り越えていく力の尊さを知ると共に、他者を思いやる心の大切さを覚えました。またブラジル遠征の際にスラム街で貧しいながらもサッカーを楽しんでいる少年たちの実情を目の当たりにし、日本の豊かさを認識するのと同時に、夢の実現に向けて真摯に取り組み続ける決意をすることができました。ところが夢への挑戦は、気持ちだけではどうしようもできない出来事によって終わりを迎え、私は夜な夜な涙を流す絶望的な苦しみと挫折を経験しました。それでも立ち直り、社会人として新たな夢を描き、目標を据え、新たな一歩を踏み出すことができたのは、家族や仲間の支えと後押しがあったからです。他者から助けられた経験があったからこそ、今の自分はどんな時でも困っているひとに手を差し伸べ、優しく寄り添うことができます。これからも自分自身が誰かの支えとなり挑戦を後押しできる存在となるべく、己を律し、夢の実現に向けて挑戦を続けていきます。

 私が生まれ育ったもりおかは、随所に歴史的な建造物と文化が融合した街並みに風情があるとともに、祭りや市が賑わい、少し足を延ばすと雄大な自然が広がります。豊かな自然環境がもりおかの文化や住まう人々の生活を育み、ひとの交流がまちに活気を与えています。この地に住む人々は自然の恩恵に感謝を忘れず、そして他者を思いやる心を有しています。過去から紡がれてきた文化と意思は、まちに息づくコミュニティによって脈々と次代へ受け継がれていきます。コミュニティはひとの繋がりによって形成され、ICT の急速な進化によって世代や地域の枠を超えた交流が可能となり、その役割は多様化しています。幅広く且つ即座に交流が可能なインターネット上での繋がりと、関わるひとの共感を得やすい直接的な交流による繋がりの双方によって、まちに住み暮らす人々の交流がより活発となりコミュニティに賑わいが生まれます。この賑わいは、新たな交流の呼び水としてまちの活性化の一翼を担います。コミュニティの輪が広がっていくことにより、もりおかはひとの繋がりに溢れる魅力あるまちになります。

 ブラジルで目の当たりにした光景から20年余り過ぎた今、世界はどのような現状となっているのだろうか。生活の豊かさを追い求めた人々の思想や行動は、結果的に温室効果ガスを大量に排出し、地球温暖化による気候変動や異常気象が多くの自然災害を誘発し、各地で多大な影響を及ぼしています。また、国家間や民族間、政治的な対立による戦争や紛争、内戦は依然として無くならず、争いがもたらす破壊は生命や財物を理不尽に奪い、多くのひとに負の感情をもたらしています。そして、世界的な感染症が多くの生命を奪うだけでなく、ひとの直接的な交流や往来を途絶えさせ、経済を停滞させる一因となっています。これらの環境、社会、経済の問題が要因となり無用な貧困を生み出しています。貧困は、人権侵害・教育格差・健康被害・ジェンダー不平等などあらゆる問題の原因となっている世界共通の課題です。日本においては、所得格差による相対的貧困率が先進国の中で一番高い結果となっており、特にも貧困が引き起こす教育格差は子供たちの可能性を阻害し、十分な教育を受けることができないことから、大人になっても貧困で苦しむという負の連鎖を招いています。また、ジェンダー平等についての取り組みは浸透しつつも、性的マイノリティについての理解は依然乏しいなど、今もなお多くの問題が残っており世界から後れをとっています。世界や日本における様々な問題は、国やひとがお互いを尊重しながら取り組まなければなりません。

 私が思い描く「明るい豊かな社会」とは、ひとが共に寄り添いながら生きることができる社会です。ひとは社会の中で繋がりが分断された時に孤独を感じ、生きることに希望がもてなくなりますが、他者が寄り添い支えることによって、孤独感から解放されます。そして互いの想いに共感し合い繋がりが強くなっていくことによって、前向きな感情も芽生えてきます。その前向きな感情こそが自身の夢を描き新たな一歩を踏み出そうとする想いとなり、挑戦の始まりとなるのです。挑戦していく過程で困難な壁にぶつかる時もありますが、他者の支えや後押しによって乗り越えた時にひとの優しさや思いやりを感じることができ、ひとの温かみが新たに挑戦するひとを支えようとする感情を芽生えさせます。そうすることによって、活力の循環が生まれ挑戦の輪が広がります。ひとが共に寄り添いながら生きることは、自分が支えられていると同時に、誰かの支えにもなっており、互いの想いに共感し合うことにより、前向きなひとが溢れる地域となり、明るい豊かな社会が実現します。

 盛岡青年会議所は、時代に先駆けもりおかをより良くするために運動を展開してきました。運動を通して様々なバックグラウンドがある会員と繋がり合えることは、盛岡青年会議所の最大の魅力となります。その繋がりは、青年会議所活動を行う中で困難を共に乗り越えた時に心から信頼できる強い絆で結ばれる仲間となります。入会当初未熟であった私は、青年会議所の活動を通して多くの学びと繋がりを得ることによって、仲間と共に成長することができました。同じ志をもつ仲間への尊敬と憧れが自身の活力となり、社会活動や社業においても挑戦するきっかけとなるのです。仲間と前向きに行動を起こしていくことは、地域を牽引するリーダーとしての自覚が芽生え、また能動的に一丸となって青年会議所活動を行っていくことが市民意識変革運動の一歩目となります。だからこそ、ここでの出会いを自身への活力とし、繋がりの輪を広げながら共に輝く未来を創り地域を盛り上げていこう。

【組織を牽引するリーダーとして社会課題の解決に向けて、青年会議所の理念に共感する仲間を増やす】

 盛岡青年会議所には、社会課題を解決へと導くことによって、まちをより良くしていこうと新たな挑戦へ踏み出す活力があります。この組織は、まちの未来を創出すべき青年経済人が在籍しており、各々が個性を活かし切磋琢磨しながら運動を展開しています。所属する会員は、組織に多数の会員が在籍することによって多様な価値観の中で活動することができます。価値観を受け入れ互いに尊重することにより、活動することへの刺激となり一人ひとりの成長に相乗効果が生まれます。セルフ・アウェアネスを高め、他者に自身の弱みを隠すことなく自己開示することにより共感や信頼が築かれ、組織を牽引するリーダーへと成長することができます。40歳までの限られた活動期間が設けられている組織が、まちをより良くするために市民意識変革運動を展開し続けてこられたのは、在籍するメンバーが盛岡青年会議所の運動の意味や活動することにより、得られる本質的な価値に共感し活動を続けてきたからです。だからこそ仲間を増やし続け、組織の価値を高めていく必要があります。会員同士の成長を促し、組織を牽引するリーダーとして社会課題の解決に向けて、青年会議所の理念に共感する仲間を増やします。

【国際的な視点から当事者意識をもって課題解決に取り組み、持続可能な社会の実現を目指す】

 今世界では、国家間の争いによる難民問題や地球温暖化が引き起こす環境問題など、国境を超えて解決しなければならない様々な問題が存在しています。私たちは、不当に影響を受けている人々がいるという理不尽な現実を理解し、世界で起きている問題に対して一人ひとりが当事者意識をもち、解決に向けて取り組んでいかなければなりません。問題を抱えている相手の立場を理解し、思いやる心をもちながら自身の主張を展開していくことは、個人間や組織間、国家間でのコミュニケーションにおいて、民間外交を前に進めていく上で重要な要素となります。盛岡青年会議所では個人の成長と地域の発展のために、長きに亘って民間外交を推し進めてきた経緯があります。民間外交は、歴史や文化の違いをもったひととの交流を通して国際的な視点が培われ、両地域間で抱える課題を共有することにより、自身の価値観を拡げることができます。そして、お互いを思いやり、尊重し合う心が言葉の壁を越え、気持ちが通じ合うことによって繋がりが深まることを実感することができます。世界規模の問題を解決するために、国際的な視点を身に付け当事者意識をもって課題解決に取り組み、持続可能な社会の実現を目指します。

【ソーシャルインクルージョンを実現し、誰もが住み続けたいと思える魅力溢れるまちを創る】

 私たちの住み暮らすまちは、ひとの交流によって活気づき発展してきました。ひととひとが繋がり、支え合い、活発に交流することによって地域コミュニティが形成されます。地域コミュニティは、相互扶助による伝統文化の継承や発展、まちづくりといった地域にとって重要な役割を果たしてきました。そして、あらゆる世代が能動的に活躍できる機会を創出することは、まちに住み暮らす人々の交流がより活発になり、新たな繋がりが生まれます。世代の枠を超えて差別や偏見のない、誰一人排除されない地域コミュニティを形成しなければなりません。そのために、生活困窮者やチャレンジド、国籍の違いなどのあらゆるマイノリティを認め合い、自身の価値観を他者と共感していける環境と、外見だけでは知ることができない内面的な心に寄り添うことにより、住み暮らす全てのひとが前向きになる必要があります。選択肢が多様化している現代において、全てのひとが支え合うことは、分断による孤独感を解放し、恒久的なひととの交流を可能にします。私たちは、もりおかのこれまでの文化と伝統を大事にしながら、ソーシャルインクルージョンを実現し、誰もが住み続けたいと思える魅力溢れるまちを創ります。

【活力が溢れるもりおかを目指し、主体的に行動ができる子供たちを育成します】

 いつの時代においても子供の可能性は無限大であり、自ら興味のあることに取り組み続けることによって、主体性を培い精神的に自立した大人に成長していきます。そして目標に向かって行動する力と困難を乗り越えていく力が身に付くことにつながります。子供は各々限られた環境の中でも、興味のあることに触れ合い、夢中になりながら自身の心を奮い立たせ、夢の実現のために自ら行動していく必要があります。その行動が自身の価値観を拡げ、創造性を豊かにし、自ら描く未来の予想図を明確にすることができるからです。前向きに挑戦する子供の想いに寄り添い、共感し後押しするひとが現れることにより、子供たちはたとえ困難な状況になっても乗り越えることができ、夢の実現に近づくことができます。そしてその挑戦する姿は世代を超えた人々に活力を与えることとなります。だからこそ私たちは、経済や社会の情勢がどのように変化しようとも、子供たちが興味をもてることに触れる機会を創出しなければなりません。子供たちが興味のあることへ主体的に取り組み続け、自身の可能性を最大限引き出すことが、もりおかの次代を担う人材となります。活力が溢れるもりおかを目指し、主体的に行動ができる子供たちを育成します。

【子供たちが夢に向かって新たな一歩を踏み出すために全国大会の誘致を目指す】

 スポーツは目標に向かって仲間と切磋琢磨しながら相手と競い合い、喜びや悔しさを経験しながら、自己成長と協調性を育むことに貢献します。更には、勝ち負けに一喜一憂せず、試合への取り組み方や過程にも焦点を当て、自身の親や対戦相手など関わってくれた全てのひとに感謝とリスペクトの心をもつことによって、互いを支え合い他者を重んじる人間形成にもつながります。そして、観るひとに感動と活力を与えてくれます。「第36回わんぱく相撲盛岡場所」では、スポーツの素晴らしさを感じ、夢を描き、目標に向かって挑戦する新たな一歩を踏み出す機会を創ります。
 また、私たちはより多くの人材の成長と地域に活力の機会となり得る「わんぱく相撲女子全国大会」の誘致を目指します。この大会がもりおかで開催されることは、もりおかに住み暮らす人々が、全国の相撲競技者や相撲ファンとともに興奮や感動を味わい、地域に活力をもたらす機会と考えます。そして、多くの来場者を迎えることによって地域経済に貢献をもたらすとともに、誘致活動から事業実施に至る準備の過程で得られる経験は、私たち自身の学びとなります。スポーツを通したひとづくりとまちづくりによって、まち全体に活力を与える機会の創出を目指します。

【青年会議所と市民を繋げ、より多くの共感を生み出す戦略的な広報を実践する】

 盛岡青年会議所の展開する市民意識変革運動は多くの市民を巻き込むことによって運動の価値を高めます。まずは私たち自身が自らの活動に誇りと自信をもって身近なひとを巻き込んでいくことが重要です。そして、私たちの活動を市民の方々に知ってもらい、共感を得ることによって、盛岡青年会議所の存在意義がポジティブに認知され、運動の価値を高めていくことができます。そのために必要な要素として、私たちがホームページの重要性を認識することと、より多くのひとに伝えることができるSNSを活用した戦略的な広報が重要となります。ICTを活用したデジタル戦略が功を奏し、直接的な交流へ結びつけることができると、コミュニティに賑わいが生まれます。そして、そこから共感を生み出すためには活動一つ一つの目的を正確かつ明瞭に市民に伝えることが重要ですが、均一的で単発的な伝え方ではひとの心に留まる情報発信とはなり得ません。発信する情報の質やターゲットに合わせて、事業を担当する委員会とフレームワークを構築し、集客から事業実施、事業実施後の報告まで、不特定多数のひとへの発信と特定のひとへの配信を、目的をもって繰り返し、より多くの共感を生む戦略的な広報を実践します。

未来構想特別委員会
  盛岡青年会議所は明るい豊かな社会を目指し、常に社会課題に向き合いながら運動を展開してきました。時代が目まぐるしく変化していく中でより大きな運動を展開していくためには、組織のあり方を協議し、メンバー一人ひとりの意見と考えを抽出していく必要があります。会員拡大の短中期ビジョンを明確にし、地域にインパクトを残す運動を展開するための会員数と予算がどの程度必要かを協議し立案します。また、失ってはならない青年会議所活動の本質を保ちつつ時代背景に合わせた組織運営のあるべき姿を検討し、能動的に活動するメンバーを増やすべく組織運営マニュアルを策定します。

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